会社の中には、「この場合は〇〇さんに聞く」「この顧客にはこの順番で説明する」といった、文書になっていない知識があります。
AIへ会社らしい回答を求めるなら、こうした暗黙知を参照できる情報へ変える必要があります。ただし、最初から完全なマニュアルを作る必要はありません。
まず3つだけ記録する
現場の判断を聞くときは、次の3点に分けると記録しやすくなります。
- 状況: どのような場面で発生する業務か
- 手順: 何を、どの順番で行うか
- 判断のコツ: 何を基準に選ぶか、例外は何か
たとえば「急ぎの発注はA社を優先する」という手順だけでなく、「納期の確認が早く、欠品時の代替提案があるため」という理由も残します。
出典と更新日を付ける
AIが情報を参照できても、正しい情報か確認できなければ業務では使いにくくなります。文書には、情報を確認した担当者、元になった資料、確認日または更新日を付けます。
複数の資料が矛盾する場合は、AIに選ばせず、人が正本を決めます。
更新を自由にしすぎない
現場の気づきを集める入口は広くしつつ、会社で使う情報へ反映する前に確認者を置きます。
- 社員が気づきや変更案を残す
- 元資料と実務を確認する
- 承認された内容だけを正本へ反映する
- 変更日と理由を記録する
この流れがあると、古い情報や個人の思い込みがそのまま広がることを防ぎやすくなります。
小さな業務から情報を育てる
会社全体の知識を一度に整理するのではなく、最初に選んだ1業務に必要な情報から始めます。AIを使って不足している情報が見つかったら、担当者へ確認して追記します。
業務と情報を一緒に改善することで、AIだけでなく、新しい社員や他部署も参照できる会社の資産になります。